再生事例 収益不動産の売却と会社売却の事例

企業データ

資本金:1000万円 年商:3億円 社員数:10名 業種:文具雑貨小売業 状況:高齢の社長が2社を経営するが収益を管理できておらず赤字体質

原因:文具雑貨小売業をイオンなどの商業施設で3店舗展開している会社と、地元商店街で生活雑貨を販売している会社の2社を経営していたが、社長が高齢(70歳代)で収益・資金管理は税理士が月次試算表を作るのみであった。

試算表から問題点を発見し改善することもできない。

また銀行借入も個人所有の不動産担保で年商を超える金額を借りていた。返済原資も不足するようになってからは新規借り入れもできず、後継者も不在であったことから今後どのようにすべきか全くわからない状況にあった。

◆相談時に示した再生方法

銀行返済のリスケジュール別荘などの売却による負債圧縮古参社員へ事業承継、業績立て直し、生活雑貨販売会社の清算または同業への会社売却引退後の生活基盤の構築

◆ご相談から会社売却まで

ご相談資金繰り、損益状況把握リスケ実行【ここまで3ヶ月】別荘などの不動産売却古参社員への事業承継【ここまで12ヶ月】廃業の決断、同業への会社売却引退後の生活基盤の構築【ここまで24ヶ月】

1.赤字体質で借入過多、しかも社長が高齢で後継者がいない

社長は相談に来られた時点で72歳。

まだまだ元気ではあるものの、赤字の会社を立て直し10年、20年と経営していくことは困難であった。

後継者も育ててきておらず、次世代の経営を担う人材がいなかったため、再生するにしても社長が陣頭指揮をとらなくてはならなかった。

決算、月次試算表は税理士へ丸投げしており、銀行融資を受けるために作成していたので、原価率や販管費といった計数管理は行っていなかった。

唯一売上げは営業日報を社長自ら集計し金額を把握していた。 会社の資金繰りは銀行融資に頼らざるを得ない状況であったが、昔からの資産家(収益物件を数多く所有)であったため、それら個人資産を担保に事業用資金を借り続けていた。

しかし担保に入れるものが無くなり、銀行の新規融資がストップしたため資金繰りがひっ迫してきた。

2.資金繰りを改善するためにリスケと収益物件売却による負債圧縮

資金繰りがひっ迫する中で改善計画作成し銀行へリスケジュールを申し込み。

計画の骨子は、銀行返済を進めるために抵当のついている別荘や収益物件を売却し負債圧縮。

同時に古参社員に事業承継を行い、赤字体質を改善したうえで存続させる、というものであった。

半年間様子見るということでリスケジュールし半年間は返済元金ゼロとなり当面の資金繰りが安定した。

問題はここからで、古参社員が「事業引き継ぐのは荷が重すぎる。しばらく考えさせてほしい」とのことで事業再生がなかなか進まない状況になってしまった。

元金返済を止めることで文具雑貨小売り会社の方は何とか回ってはいたが、生活雑貨小売り会社は収益が上がらず瀕死の状態で事業を存続することが難しくなってきていた。

そんな中でも別荘や収益不動産の売却で銀行返済を少しずつ進めていたため、倒産することなく時間だけが過ぎていった。

3.古参社員の事業承継拒否と事業売却

古参社員は、会社に愛着はあるが事業承継するには負債が大きすぎて到底責任を負えない、そうであるなら退社するとの回答であった。

今まで全く後継者育成など考えても来なかったツケが回ってきたのである。 改善計画自体が頓挫する中でメインバンクと協議を重ねて、会社の売却をすることに決定、ここからは顧問弁護士も介入して売り先を探した。

生活雑貨小売りは廃業し、文具雑貨小売りは社長と長年懇意にしている同業界の会社が購入することとなった。 同時に法人、個人とも破産することになるので、社長が引退後の生活基盤を整える必要があった。

4.引退後の生活基盤の確立

事業売却することになり社員、アルバイトの8割は新しい社長の下で同じ業務を行うこととなったが、しかし借入金は不動産売却、事業売却でも完済することができず、破産することとなった。社長は取引業者に迷惑をかけたことを謝罪に回り理解を得ていった、その中で罵倒する経営者もいたが、今後の生活を案じて助けてくれる経営者もいた。 自宅マンションも競売にかけられたので、親族の家に近い一軒家を知人から格安で賃貸し生活費は年金で行うことになった。

今ではお金の心配をすることもなく、近くにいる孫たちと過ごしたりしているのですが、いまだ事業意欲はあるようで、次のビジネスのヒントが今日の新聞にあった!と連絡くださっています。

この案件では「事業再生」という形で終わることができませんでした。

しかし会社は倒産しても、人生は終わらない! 次の人生やビジネスに気持ちを新たにチャレンジできるように今をフォローすることも私の役割だと思いました。

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